基板製作に挑戦の巻
今回、回路設計 → 基板設計 → 発注 までを挑戦したので、やったことを書いておきたいと思います。まだ完成品は手元に届いていません。
基板、つくろう。
オリジナルの基板作りは、前々からやってみたかったのですが、Cadrus とか Design Spark とかインストールしたまま手を付けず数年経っていました。そして先日、がぜんやる気にさせてくれるテキストを発見!
make.kosakalab.com
「最もわかりやすい(自画自賛)KiCad実習テキスト」と紹介されていますが、何より、やってみたいという気持ちになりました。
KiCad はオープンソースのフリーウェアですので誰でも無料で使えます。まずは、このテキストに書かれていることを忠実にトレースし、ガーバーをビューワーでチェック。それっぽいものが出来ていることを確認できましたので、次は自分でオリジナルの回路を描いてみます。
まずは回路図
中央の大きなコネクタは、Arduino Nano を挿すピンソケット。左側は電池を接続するターミナルと、昇圧モジュールを挿す3Pのソケット。右側は I2C と、信号線・電源・GNDをセットで引き出せる端子を4組。Arduino Nano を電池で動かし、信号線を引き出しやすいようにするだけの中継基板ですね。昇圧前の電源入力を A0 に接続し、電池の残量もチェックできるようにしておく。これを作ろうと思います。
ものすごい量の回路図のシンボルや基板のフットプリントが用意されています。その中から選ばなければならないので、3D CAD のように「機械の知識なくてもモデリング可能」のようにはいかず、回路や電気部品の知識は必須でしょう。今回のは抵抗1本の他はコネクタだけなのでなんてことなかったのですが。
基板に部品を配置してパターンを引く
ベタGNDは自動でやってくれるのでらくちんです。
ここでハマったこと
グローバル移動/配置
→ 全てのフットプリントを展開
で、かたまった部品を拾いやすいようにバラけて配置してくれる機能があるのですが、フットプリントモードを自動にしても、このメニューが出てこない。
⇒ 表示モードがOpenGL(3D)
だとなぜかメニューが出ない。標準
に切り替えると出た。
配線モードで右クリック → 配線オプション
で押しのけ配線モードに切り替えたいのだが、右クリしても配線オプション
のメニューが現れない。
⇒ 表示モードが 標準
になっているとメニューが出ない。OpenGL(3D)
に切り替えると出た。(これはテキストにもちゃんと書かれていた)
ガーバー出力
テキストと基板メーカーのサイトで設定内容がちょっと違うところがありますが、今回はテキスト通りにやりました。
基板メーカーにデータを送る
FusionPCB と Elecrow どちらに頼もうか? 値段はどちらも同じ感じ。100mm×100mm の2層基板 10枚で $4.9 、送料が選ぶ運送会社によって違って $8~27。と思っていたら、FusionPCB で送料込 $7.9 のセールをやっていました。サイズは 100mm×100mm以下で5枚。レジスト色は選べますが板厚や表面処理は選べません。期間限定なのか、年中やっているのかは判りません。
ということで、FusionPCBの $7.9 コースに決定。設計した基板は 50mm×50mm なので面付けし、100mm四方の基板から4枚取れるようにします。だからトータル 20枚。値段は1枚あたりは日本円で40円。恐るべし。
ここでハマったこと
データをアップロードすると、基板の内容をチェックする画面を開くことができます。
ドリルのデータが左下にモシャモシャっとかたまっています。スケールがおかしいですね。
⇒ 気にせずそのままでOK。
gerbvなどのガーバービューワでは正常に見えていたので、そのまま送りました。
そして、スイッチサイエンスでも基板製造をしているようなのですが、右上の seeed のロゴは FusionPCBの会社ですね。つまりスイッチサイエンスは仲介をしているだけと見受けました。そこに
だそうです。
ひたすら待つ
5日の深夜に発注して、11日の昼過ぎに発送されたようです。
発送連絡のメールに、出来上がった基板の写真が添付されていました。あんまり鮮明でなく、ラベルで隠れてよく見えませんが、これは期待して良いのではないでしょうか。
発送から到着まで日数がかかりそうなので、次に作るものを考えながらのんびり待ちたいと思います。