スクラッチ&スクラップ

簡単なプログラミングや電子工作など。しょうもない工作の記録。

3Dプリントした造形物にビットインサートの熱溶着を試す

f:id:macrochelys99:20190630021625j:plain

3Dプリンタで作ったパーツをネジで固定したい

今回は知人が親子でダンボールキッチンを作っていたので、ガスコンロをもうちょっとかっこよくできるかも?と、ツマミゴトクを贈呈しました。

こちらは完成時。テーブルの高さ 40cm、幅60cmぐらい。
f:id:macrochelys99:20190630031754j:plain

3Dプリントしたパーツの組立てでネジを使う場面は、大抵はネジボスを立ててそこにタップタイトのネジで固定でしょうか。今回は強度に不安があったのでビットインサートの熱溶着を試してみました。

モデリング

ツマミ

上から順に、ツマミ、台座、留め具です。台座を段ボールにボンドで貼って、ツマミを取り付けたら裏から留め具をネジで固定。ツマミはちゃんと90度回って止まる予定。

f:id:macrochelys99:20190630022855p:plain

ゴトク

黄色がゴトクで赤が留め具です。

f:id:macrochelys99:20190630023215p:plain

ボンドや両面テープでの接着だけだとすぐ剥がれてしまいそうな気がしたので、段ボールに穴をあけて裏から留め具でも固定します。

f:id:macrochelys99:20190630023317p:plain

ビットインサートの熱溶着

3Dプリントしたものをタップタイトネジで固定しても、すぐに割れて外れてしまいそうな気がします。そこで、ビットインサートを熱溶着してコネジで固定します。

f:id:macrochelys99:20190630025307j:plain

今回使ったビットインサートはこちら。


Φ4.5mm の下穴をあけておき(ビットインサートの径より少し小さい)
ビットインサートをあてがって

f:id:macrochelys99:20190630024052j:plain

300℃のハンダゴテでぐぐっと押し込む。熱せられたビットインサートがプラを溶かしながら埋まっていく。

f:id:macrochelys99:20190630024439j:plain

3Dプリントの素材は PLA なので、300℃では温度が高すぎたようです。

白光FX600 なら下は200℃まで下げられるので、めいっぱい下げると良いかもしれません。

うまく付いたように見えましたが

f:id:macrochelys99:20190630025008j:plain

裏から見るとはみ出ちゃってる!しかも溶けたPLAのくず中に入り込んでしまいネジが入りにくい

f:id:macrochelys99:20190630025047j:plain

裏から留め具を付けるとこんな感じです。

f:id:macrochelys99:20190630025211j:plain

ツマミもゴトクと同様にビットインサートを熱溶着してボンドと留め具で取り付けます。

f:id:macrochelys99:20190630025452j:plain

牛乳パックを積み上げて骨組みを作り、段ボールで壁をつくり、その上に壁紙のようなシートを貼っているそうです。流し台も内側にアルミテープを貼ってピカピカ。廃材で作った割にオシャレに仕上がっています。

まとめ

  • 3Dプリンタで作った物をネジで組み立てるのは、タップタイトネジでは強度や割れの心配があったが、インサートナットの使用で使い勝手は良くなる。

  • インサートナットの内側にハンダが付くとネジが入らなくなるので、コテ先は未使用品が良い。コテ購入時に付属していた円錐形のコテ先が未使用のまま残っていたので今回はそれを使用。

  • インサートナットを差し込む方向ネジとは逆方向からだと、インサートナットの中に溶けたプラのくずが入り込んでしまいネジが入りにくくなってしまった。インサートナットはネジと同じ方向から差し込むのが良さそう。

  • ツマミ側はネジと同じ方向からインサートナットを入れたのでネジの入りはスムーズで問題なかった。

  • プラの素材がPLAだったので、ハンダゴテの温度が300℃は高すぎた。すぼっと軽く入ってしまい、やや傾いてしまっている。

  • ツマミを回しきったときのクリック感が欲しくなる。

  • お子様にも気にいってもらえたようで何よりです。 f:id:macrochelys99:20190630031431j:plain