アクリルのタップタイト用ネジ穴の形状とサイズの最適を探す
ネジ締め千本ノック......ではないです。
結論
標準の下穴で問題なかった。ネジはBタイプが良い。
アクリルは硬くて割れやすいのでネジ孔はシビアな気がします
レーザーカットでいろんな大きさの孔を空けたアクリルを作りました。
上の2列は円ですが、下の3列は星形になっています。
レーザーカットなので寸法の精度はそれほど高くありません。
よく使うネジを3種類用意しました。
全てバインドタップタイトの 3×8 ですが、左からPタイプ、Bタイプ、Sタイプです。
簡単に説明しますと....
「バインド」は、ネジ頭の形状。ナベ頭が径が小さく高さが高めなのに対して、バインドは径が大きく高さが低くなっています。
「タップタイト」は、木ネジのように下孔だけあけたところにネジでネジ山を切りながら(タッピングしながら)締めるネジです。
「Pタイプ」は、ネジ山のピッチが長く1回転させた時の進む量が長く、プラのような柔らかい材料でネジバカになりにくい特徴があります。
「Bタイプ」は、プラや板金(バーリング)等に汎用的に使えます。
「Sタイプ」は、主に板金用ですが、ネジ山のピッチがコネジと同じなのでナットのようにネジ切りされている場所にそのまま使えます。
Pタイプ
ネジが付いて無い孔は、もともとスカスカだったり、孔が小さすぎて回しても入っていかない孔です。
締め切ったときにトルクの変化が少なくそのままネジバカになったところは、ネジを緩めて浮かせてあります。
ネジを締め切る前に、アクリルが割れそうだったり硬くて入っていかないところも、ネジを緩めて浮かせてあります。
裏から見たところ。無理に締めるとネジ孔まわりにクラックが入ります。
Bタイプ
Pタイプより幅広い孔径で安定している様子です。
裏側。思ったよりクラックが入りやすいようです。
ネジの進みの大きいPタイプよりもBのほうが回しやすいので、きつくてもネジが進んでしまうのかもしれません。
Sタイプ
入ったネジが一番少ないです。
ネジを回すとキューキュー音がします。無理してますね。
ネジのピッチが小さいので、粉状のアクリルの欠片がたくさん出ます。
ついでに Arduinoの座布団に使った 2.6×8 Pタイプ
macrochelys99.hatenablog.jp
締結感も安定していてちょうど良かったようです。
まとめ
星形のネジ孔は Amazonで買ったアクリルの基板ケースのネジ孔が星形になっており、いいアイデアだと思って真似したのがきっかけです。
アクリルは丸より星形のほうが良いと思って今回比較してみましたが、あまり違いがありませんでした。
今回使ったネジは断面がオニギリ型のタップタイトでしたので、断面が円のタッピンだとまた違ってくるかもしれません。
丸孔は無理に締めていくと突然パキンと割れますが、星形だとネジ孔まわりに小さなクラックがピキピキ入り始めるので完全に割れる前に気付きやすいというメリットはあります。
3mmネジの下穴の推奨は 2.4~2.6mm らしく結果もその通りになりましたので、推奨下穴にBタイプのタップタイトを使うのが良さそう。
ABSやPSならPタイプのほうが使いやすいですが、PとBは外観が似ており混じると(Pで一度締めた穴をBで締めなおすと)ネジバカになるのでどちらかに統一したいところです。