スクラッチ&スクラップ

簡単なプログラミングや電子工作など。しょうもない工作の記録。

PETGの糸引き改善

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テストのために量産された赤いクローバー

PETGフィラメントの糸引きに悩んでいましたが改善しました。
macrochelys99.hatenablog.jp

糸引きを出さないパラメータ

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解決例 (1) Fill Density : 0%

このクローバーの形状は輪郭を一筆書きできるので糸引きは出ないはずだと思っていましたが、なぜ毛むくじゃらになってしまうのか。クローバーの輪郭は厚みが 2mm 程度なので、シェル厚を 0.8mm に設定するとわずかに残った隙間にフィルをかけるため、ノズルがあちこち飛び回って糸を引きまわしていました。そこで Fill Density を ゼロにしたところ綺麗に解消。シェル厚を増やして Fill の工程を発生させないというのも効果がありました。

表面の滑らかさ

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中央
Shell thickness 0.8 0.8 1.6
Print speed 20 60 30

その他のパラメータは共通です。
Layer height: 0.3mm
Fill density: 0%
Printing temperture: 240℃
Bed temperture: 60℃
Flow: 95%

印刷速度 60mm/s だと表面が荒れていますが、30mm/s に下げたら表面もツルツルになり光沢が出てきました。 シェル厚を厚くしたところ、表面のブツブツが無くなりました。パスが変わって別の場所に移動したというわけではなく、内側も外側も全周見当たりません。

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これです。ケチャップで文字を描いた時、始点と終点で溜まって太くなるような感じ。それが層となって積み重なりミミズ腫れのようになっています。

詳しくはこちらで説明してくれている動画があります。


解決例 (2) 形状から細かい凸凹を除去

前回のコーナークリップの例では、Fill Density 0% にしただけでは変化がありませんでした。しかし、補強のための三角リブよりも上の層は綺麗に造形されている(写真の青線部分)ので三角リブを廃止したところ、糸引きも表面の荒れも綺麗に治まりました。

左から順に、前回の物、Fill Density 0% の物、三角リブを削除した物。 f:id:macrochelys99:20180317225848j:plain:w300

PETGは綺麗に造形できれば、光沢と透明感に積層痕が加わり飴細工のような美しい造形になります。さらに強度もあるので、できたら PLA も ABS もやめて PETG フィラメントだけ何色か揃えて済ませたいと思っていました。が、一本化は難しそうです。